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スティールパン奏者 釣千賀子

about Steel Pan

「スティールパンってどんな楽器?」とよく聞かれます。

Steel Pan』 最近ではこの「スティールパン」という呼び名が一般的なようですが、「スティールドラム」 とも言われます。
「スティール」は鉄、「パン」は中華鍋のフライパンに似ているところから、そう呼ばれたようです。

スティールドラム

スティールパンの歴史は浅く、「20世紀最後のアコースティック楽器の発明」と言われています。
1930年代にカリブ海の島国、トリニダード・トバゴで生まれましたが、第二次世界大戦が終わり、その余剰物資として、ころがっていたドラム缶を叩いてみたところ、音が出たのがきっかけになったそうです。楽器として確立されてまだ50年ほどですので、これからもっといろいろなものが開発されていくかもしれません。

スティールパン製作中

現在、ほとんどのスティールパンは、直径60cm、200リットル入りのドラム缶から作られていますが、いろいろな音域を持つさまざまなパンがあります。

たとえば テナーパンは、一番音数が多く、高音の出るパンなので、主にメロディーを担当し、音域も2オクターブ以上あります。

テナーパン
Chikako's テナーパン

弦楽器にたとえるなら、バイオリンをテナーパンとすると、それより低い音域のビオラはダブルセカンド、チェロはチェロパン、コントラバスはベースパン、といったところでしょうか。

チェロパン
チェロパン

音域の低い楽器になればなるほど、一つのドラム缶の中の音の数が少なくなり、その代わりにドラム缶が2個・3個・4個などで1セットというようになります。ベースパンなどはドラム缶のままの姿で、一つのパンに音が3つで、6本または9本のドラム缶で1セットとなります。こうなってくると家にも置きにくいですし、移動にもトラックが必要です。

ベースパン
ベースパン

ちなみに私が所有しているのはテナーパンとシングルギターパンです。

シングルギターパン
Chikako's シングルギターパン

トリニダード・トバゴでは、毎年スティールパンカーニバルが開催されています。
「パノラマ」というパンばかりのオーケストラのコンクールがあり、1チーム100人以上のグループがいくつも登場して、約1ヶ月に渡り腕を競い合い、その年の優勝グループを決めます。
これは、ブラジルのリオ、イタリアのベニスと並び、世界3大カーニバルの中の一つです。

スティールパンが静かなブームになっている昨今、有名アーティストのバックやテレビコマーシャル、BGMなど、街を歩いていても良く流れていますので、この音色はどこかで耳にされたことがあるのではないでしょうか。
でも実際に私も楽器店の店頭に置いてあるのを見たことがありませんし、この楽器と遭遇する機会は非常に少ないので、音は聞いたことがあっても、どんな楽器か想像つかない方が多いと思います。

この楽器の魅力は何と言ってもミステリアスな音色(ねいろ)。
青く澄んだ海のキラメキのような… 散りばめられた星が落ちてくるような… 
カリブのラテン系な陽気さを感じさせる音色は、踊りだしたくなるような躍動感に溢れ、甘く美しい音色は心と身体をやさしく包みこみ、遠い記憶を呼び覚ましてくれるようです。自然のリバーブ機能が高く、倍音の多い楽器ですので、哀愁をおびた響きに胸がいっぱいになったら、日ごろのストレスもとれるかもしれません。
音も姿も、限りなくシンプルで美しく、これからも大きな可能性を秘めた楽器であると思います。


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